活字書体をつむぐ

Blog版『活字書体の総目録』

2015-01-01から1年間の記事一覧

09C-3 漢字書体「巴里」のよりどころ

原資料 『活版総覧』(1933年、森川龍文堂活版製造所) 青山進行堂『富多無可思』(1909年)には電話用活字として四号ラウンドゴチック形が掲載されている。秀英舎の『活版見本帖』(1914年)には初號丸形ゴヂックを見ることができる。この「ラウンドゴチッ…

09C-2 漢字書体「羅馬」のよりどころ

原資料 『参號明朝活字総数見本』(1928年、東京築地活版製造所) 「羅篆(ラテン)形」は「ゴシック形」の横画を細めたスタイルである。装飾的な脚色はあるが、基本は「ゴシック形」からのヴァリエーションだと思われる。「羅篆(ラテン)形」としては「ア…

09C-2 漢字書体「羅馬」のよりどころ

原資料 『参號明朝活字総数見本』(1928年、東京築地活版製造所) 「羅篆(ラテン)形」は「ゴシック形」の横画を細めたスタイルである。装飾的な脚色はあるが、基本は「ゴシック形」からのヴァリエーションだと思われる。「羅篆(ラテン)形」としては「ア…

09C-1 漢字書体「紐育」のよりどころ

原資料:『参號明朝活字総数見本』(1928年、東京築地活版製造所) 『参號明朝活字総数見本』は、その名のとおり三号サイズの明朝活字の総数が掲載されているが、それに加えて「ゴチック形」とともに「フワンテル形」と「羅篆形」の見本も掲載されている。 …

08A-1 漢字書体「倫敦」のよりどころ

原資料:『座右之友』(東京築地活版製造所、1895年)より「五號アンチック形文字」 漢字書体の安竹体としては、『座右之友』(東京築地活版製造所、1895年)の86ページおよび『富多無可思』(青山進行堂活版製造所、1909年)の47ページに掲載されている「五…

(参考)現在のデジタルタイプから 09B, 09C, 09D

Gill SansEric Gill,1928-1932(Monotype)「ギル・サン」は、エリック・ギル(1882-1940)によって設計され、1928年と1932年の間にモノタイプ社が発表しました。より古典的であり、ペンで書かれた文字にルーツを持っているので、ヒューマニスト・サンセリフに…

(参考)現在のデジタルタイプから 09A

Akzidenz Grotesk Next2007(Berthold)「アクチデンツ・グロテスク」は、ヘルマン・ベルトルト(1831-1904)のベルトルド活字鋳造所が1896 年に発表したサンセリフ体で、後に誕生した「ヘルヴェチカ」のもとになったとも言われています。2007年には「アクチデ…

(参考)現在のデジタルタイプから 08

ClarendonHermann Eidenbenz,1953(Linotype)「クラレンドン」は、1845年にデザインされたオリジナルをもとに、1953年に、エドアール・ホフマンのもとでヘルマン・アイデンベンツ(1902-1993)によって復刻されました。 RockwellFrank Hinman Pierpont,1934(M…

(参考)現在のデジタルタイプから 05

Century Old StyleMorris Fuller Benton,1906(Monotype)「センチュリー・オールドスタイル」は、フラー・ベントン(1872-1948)が、リン・ボイド・ベントン(1844—1932)とモリス・テオドール・ロゥ・デ・ヴィネ(1828—1914)によって1895年に制作された書体…

(参考)現在のデジタルタイプから 04

DidotAdrian Frutiger, 1991 (Linotype)「ディド」は、1783年にパリでファーミン・ディド(1764−1836)によって設計された書体をベースに、1991年にデジタルタイプとして、アドリアン・フルティガー(1928−2015)によって設計されました。 BodoniGiambattist…

(参考)現在のデジタルタイプから 03

BaskervilleJohn Baskerville,1706-1775 (Linotype)「バスカーヴィル」は、ジョン・バスカーヴィル(1706−1775)の活字書体をモデルに、1923年にジョージ・ウィリアム・ジョーンズ(1860-1942)によって複刻されました。 Fournier Pierre Simon Fournier,171…

(参考)現在のデジタルタイプから 07

Snell RoundhandMattew Carter, 1965 (Linotype)「スネル・ラウンドハンド」は、17世紀後半のチャールズ・スネル(1667−1733)の書字をベースに、マシュー・カーター(1937− )によって1965年に制作されたスクリプト体です。 ShelleyMattew Carter,1972 (Lin…

(参考)現在のデジタルタイプから 02B

Van DijckRobin Nicholas, 2001 (Monotype)「ファン・ダイク」は、2001年にモノタイプ社のロビン・ニコラス(1947– )によって、17世紀のオランダを代表する活字父型彫刻師クリストフェル・ファン・ダイク(1601–1669)の活字書体を復刻した書体です。 Adobe…

(参考)現在のデジタルタイプから 02A

BemboAldus Manutius, Francesco Griffo,Frank Hinman Pierpont,1929 (Monotype)「ベンボ」は1929年に、モノタイプ社のフランク・ヒンマン・ピアポント(1860-1937)がデザインした書体です。ビエトロ・ベンボの著作『デ・アテナ』を印刷するために、1495年…

(参考)現在のデジタルタイプから 06

Blado Ludovico Degli Arrighi, Stanley Morison, 1923 (Monotype) 「ブラドー」は、1526頃に制作されたアルダス・マヌティウスとルドヴィコ・デリ・アリッギの活字に基づいて、1923年にスタンリー・モリソン(1889-1967)によって復刻されたイタリック体で…

(参考)現在のデジタルタイプから 01

Adobe Jenson Robert Slimbach, 1990 (Adobe) 「アドビ・ジェンソン」は、ニコラ・ジェンソンのローマン体をもとに、ロバート・スリムバック(1956- )によって設計された書体です。 Centaur Nicoras Jenson, Bruce Rogers, Frederic Warde,1928-1930 (Monot…

09C-1 欧字書体「K.E. Aquarius-Bold」のよりどころ

原資料:『フツーラ書体見本帳』(バウワー活字鋳造所、1927年)より パウル・フリードリヒ・アウグスト・レンナー(1878−1948)は、バウワー活字鋳造所との共同作業によって、幾何学的な考え方で制作された書体「フツーラ(Futura)」を1927年に発表しまし…

09A-1 欧字書体「K.E. Capricornus-Bold」のよりどころ

原資料:『ザ・フローラン』(1930年)より 碑文彫刻家のエリック・ギル(1882−1940)は、モノタイプ社のためにサン・セリフ体「ギル・サン (Gill Sans) 」を設計し、1928年に発表しました。そこで、『ザ・フローラン』(1930年)のエリック・ギルの特集記事…

09A-1 欧字書体「K.E.Sagittarius-Bold」のよりどころ

原資料:『ノイエ・グラフィーク』(1958年)より 「アクチデンツ・グロテスク (Akzidenz Grotesk) 」は、1898年にドイツ・ベルリンのベルトルド活字鋳造所が製作した活字書体です。 そこで『ノイエ・グラフィーク』(1858年)所収の使用例から抽出したキャ…

08-1 欧字書体「K.E. Pisces-Medium」のよりどころ

原資料:『印刷活字総合見本帳』(ファン・ストリート活字鋳造所、1857年) ロバート・ベズリによる「クラレンドン (Clarendon) 」は1845年にイギリスのファン・ストリート活字鋳造所でうまれました。その名称はオックスフォード大学の印刷所だったクラレン…

05-1 欧字書体「K.E. Virgo-Medium」のよりどころ

デ・ヴィネ・プレスが印刷していた雑誌『センチュリー・マガジン』のための専用書体としてテオドール・ロゥ・デ・ヴィネ(1828—1914)が設計し、リン・ボイド・ベントン(1844—1932)がみずからの彫刻機をもちいて1895年に作られたのが「センチュリー」です。…

04-1 欧字書体「K.E.Leo-Medium」のよりどころ

ジャンバティスタ・ボドニ(1740−1813)は、パルマ公国印刷所のあたらしいローマン体を設計しました。モダン・ローマン体のうち、代表としてボドニの書体を選択、『チメリオ・ティポグラフィコ』(1990年 復刻版)から抽出したキャラクターをベースに、日本…

03-1 欧字書体「K.E.Cancer-Medium」のよりどころ

原資料:『田園詩と農事詩』(1757年) ジョン・バスカーヴィル(1706−1775)の活字は、オールド・ローマンの影響を残しながらも、コントラストを強めた水平垂直にちかい骨格になっています。代表的なトランジショナル・ローマン体として、バスカーヴィル活…

07-1 欧字書体「K.E. Scorpio-Medium」のよりどころ

原資料:『活字書体見本帳』(フライ・アンド・スティール活字鋳造所、1795年) チャンセリー・バスタルダは印刷用活字書体として成立し、イタリック体として発展していきましたが、その一方で、個人的で優美な曲線への欲求は銅版印刷へとむかっていきました…

02B-1 欧字書体「K.E.Gemini-Medium」のよりどころ

原資料:『The Diary of Lady Willoughby』(1844年) 18世紀のイギリスはオランダのローマン体が流行していましたが、ウィリアム・キャズロン(1692−1766)の活字は、洗練さをくわえたことによって「イギリス風で快い」という称賛をえたのです。 そこで後期…

02A-1 欧字書体「K.E.Taurus-Medium」のよりどころ

原資料:『ミラノ君主ヴィスコンティ家列伝』(1549) ヴェネチアのアルダス・マヌティウス(1449−1515)の工房において、フランチェスコ・グリフォ(1450?−1518?)の手になる活字書体が誕生し、ビエトロ・ベンボ(1470−1547)の著作『デ・エトナ』(1495−14…

06-1 欧字書体「K.E.Libra-Medium」のよりどころ

原資料:『Vita sfortiae』(1539年) ヒューマニストのあいだで流行していたチャンセリー・バスタルダを、はじめて金属活字として鋳造したのがヴェネチアの印刷人アルダス・マヌティウス(1449−1515)と、活字父型彫刻師フランチェスコ・グリフォ(1450?−1518…

01-1 欧字書体「K.E.Aries-Medium」のよりどころ

原資料:『博物誌』(プリニウス著、1472年) ジェンソン活字を使用したのがプリニウス著『博物誌』(1472年)です。紀元1世紀の著述家プリニウスの現存する唯一の著作で、古典ローマ世界のあらゆる知識を網羅した百科全書をして知られています。このジェン…

10A-1 欧字書体「K.E.Ophiuchus-Medium」のよりどころ

原資料:『42行聖書』(1455年) 10世紀から11世紀になると、アンシャル系のカロリンガ・ミナスキュールはラスティック・キャピタルと結合して「ラスティック・カロリンガ」とよばれる過渡期の書体となり、ブラック・レターとしての特徴が顕著になっていきま…

(参考)現在のデジタルタイプから 10A

Textur Gotisch Roland John Goulsbra, 2002 (Linotype) 「テクストゥール・ゴシック」は、ローランド・ジョン・Goulsbra(Roland John Goulsbra)が2002年に新しく設計した書体です。 Clemente Rotunda Philip Bouwsma, 2001 (Monotype) 「クレメンテ・ロト…