活字書体をつむぐ

Blog版『欣喜堂立志篇』/『欣喜堂而立篇』

10B ヒューマニスト体

ヒューマニズム( humanism 人文主義)とは、ギリシャ・ローマの古典研究によって普遍的な教養を身につけるとともに、中世のキリスト教を中心とした社会から人間を解放し、人間性の再興をめざした精神的な運動である。ルネサンス期に、イタリアの商業都市の繁栄を背景にして興り、やがて全ヨーロッパに波及した。その推進役をになったのがヒューマニスト( humanist 人文主義者)たちであった。

ヒューマニストたちは、それまで一般的にもちいられていたブラック・レター体を野蛮で悪趣味だと切り捨てた。彼らはギリシャ・ローマの古典を紹介するための書体として、中世のキリスト教の権威が感じられるブラック・レター体では好ましくないと考えた。

15世紀初頭にヒューマニストたちがもちいた書体は、カロリンガ・ミナスキュールを改訂したヒューマニスト・ミナスキュール(Humanist minuscule)と、ローマ時代のラスティック・キャピタルを受け継いだヒューマニスト・キャピタル(Humanist capital)だった。この書体は、ルネサンス期を代表する筆記体として流行した。