活字書体をつむぐ

Blog版『欣喜堂立志篇』/『欣喜堂而立篇』

09D-1 欧字書体「K.E.Orion-Bold」のよりどころ

原資料:ステンペル社パンフレット 1957年にスイスのハース活字鋳造所から発売された「ノイエ・ハース・グロテスク」は、同社のタイプ・デザイナーであったマックス・A・ミーディンガー(1910—1980)が再設計したもので、1960年にドイツのライノタイプ社の…

06-2 欧字書体「K.E.Cygnus-MediumItalic」のよりどころ

原資料:『遠近法の書』(ジャン・クーザン著、1560年代) チャンセリー・バスタルダ活字は、フランスにおいては「イタリアの」つまり「イタリック」と呼ばれるようになった。このイタリック体活字を、さらに完成に導いた人物が活字製作者ロベール・グランジ…

10B-1 欧字書体「K.E.Cassiopeia-Medium」のよりどころ

原資料:『時祷書』(1500年頃) 時祷書とはキリスト教信徒の個人的な勤行のために書かれた祈祷書のことである。華麗な細密画の挿絵を伴うことが多い。中世末期から一般に流布し、14世紀末から 15世紀にかけて、フランスで美術史的価値の高いものが制作され…

10B ヒューマニスト体

ヒューマニズム( humanism 人文主義)とは、ギリシャ・ローマの古典研究によって普遍的な教養を身につけるとともに、中世のキリスト教を中心とした社会から人間を解放し、人間性の再興をめざした精神的な運動である。ルネサンス期に、イタリアの商業都市の…

09B-2 和字書体「ふじやま」のよりどころ

原資料:『明解国語辞典』(金田一京助監修、三省堂、1943年) 『明解国語辞典』の見出しに使われているゴシック体を原資料としている。 辞書の見出し書体といえばアンチック体が使われることが多いが、『明解国語辞典』はゴシック体である。近年の国語辞典…

『創業15周年記念 欣喜堂立志篇(完全版)』刊行のお知らせ

本ブログの記事を編集した本、『創業15周年記念 欣喜堂立志篇(完全版)』が完成しました。 2012年に発行した初版はA4判20ページだったのですが、完全版はA4判130ページになりました。 完全版では、2017年1月に開催された大阪DTPの勉強部屋主催のイベントで…

和字書体・漢字書体・欧字書体、それぞれの印象

日本語の文章は、和字書体だけでも、漢字書体だけでも、欧字書体だけでも組むことができるし、それを読むこともできる。実際に、19世紀後半-20世紀前半に発行された書物のなかに、それぞれの活字書体で組まれたものがある。 和字だけの文章 『ちがくうひま…

欣喜堂『活字入門帖』『書体見本帖』『組み見本帖』が揃いました!

『活字入門帖 和字書体・漢字書体・欧字書体 継承への思索』を刊行しました。 これで、『活字入門帖 和字書体・漢字書体・欧字書体 継承への思索』、『書体見本帖 和字書体・漢字書体・欧字書体 復刻への挑戦』、『組み見本帖 和字書体・漢字書体・欧字書体 …

ほしくずやと欣喜堂のコラボレーション

「ほしくずやコレクション」は既成書体と組み合わせることにしていたが、「漢字書体二十四史」「漢字書体十二州」との組み合わせをテストしてみることにした。 また、「ほしくずやコレクション」21書体と組み合わせる欧字書体を考えたとき、「欧字書体十二宮…

日本語書体十二撰の考え方

和字書体を中心に考えれば、組み合わせる漢字書体はいくつも考えられる。それによって多数の日本語書体ができることになる。また漢字書体を中心として考えれば、これまたいくつもの組み合わせが可能となる。 また漢字書体も、中国における刊本字様として欧字…

和字・漢字・欧字書体の混植

漢字・和字・欧字書体の調和 現代日本語の表記が漢文訓読文から発展したと考えれば、日本語書体は漢字が中心である。漢語や語幹を漢字で書くという文章の構造からいっても、漢字を軸として和字や欧字を交えるとするのが本筋のようでもある。 近代金属活字が…

漢字・欧字書体の伝来と和字書体

漢字書体は中国から伝来した 江戸時代にわが国に明朝体による刊本がもたらされ、南京国子監本『南斉書』の覆刻した和刻本『南斉書』、楞厳寺版『嘉興蔵』を覆刻した鉄眼版『一切経』などのように、覆刻によって定着していった。 漢字は中国から輸入したもの…

漢字書体を変えればイメージが変わる

漢字書体を変えればイメージが変わる わが国の近代活字揺籃期の活字見本帖である『BOOK OF SPECIMENS』(平野活版製造所、1877年)には、漢字書体・和字書体・欧字書体がそれぞれ明確にわけられて掲載されている。 ひとつの和字書体を複数の漢字書体と組み合…

書法芸術としての調和体(漢字かな交じり書)

尾上柴舟によって唱えられた「調和体」 「調和体」とは漢字とかなとを調和よく書いた書をいう。書道は基本的に、「漢字」「かな(和字)」「調和体」というジャンルで構成されている。調和体という名称は、尾上柴舟(1876―1957)によって唱えられた。「粘葉…

09C-3 漢字書体「巴里」のよりどころ

原資料 『活版総覧』(1933年、森川龍文堂活版製造所) 青山進行堂『富多無可思』(1909年)には電話用活字として四号ラウンドゴチック形が掲載されている。秀英舎の『活版見本帖』(1914年)には初號丸形ゴヂックを見ることができる。この「ラウンドゴチッ…

09C-2 漢字書体「羅馬」のよりどころ

原資料 『参號明朝活字総数見本』(1928年、東京築地活版製造所) 「羅篆(ラテン)形」は「ゴシック形」の横画を細めたスタイルである。装飾的な脚色はあるが、基本は「ゴシック形」からのヴァリエーションだと思われる。「羅篆(ラテン)形」としては「ア…

09C-2 漢字書体「羅馬」のよりどころ

原資料 『参號明朝活字総数見本』(1928年、東京築地活版製造所) 「羅篆(ラテン)形」は「ゴシック形」の横画を細めたスタイルである。装飾的な脚色はあるが、基本は「ゴシック形」からのヴァリエーションだと思われる。「羅篆(ラテン)形」としては「ア…

09C-1 漢字書体「紐育」のよりどころ

原資料:『参號明朝活字総数見本』(1928年、東京築地活版製造所) 『参號明朝活字総数見本』は、その名のとおり三号サイズの明朝活字の総数が掲載されているが、それに加えて「ゴチック形」とともに「フワンテル形」と「羅篆形」の見本も掲載されている。 …

08A-1 漢字書体「倫敦」のよりどころ

原資料:『座右之友』(東京築地活版製造所、1895年)より「五號アンチック形文字」 漢字書体の安竹体としては、『座右之友』(東京築地活版製造所、1895年)の86ページおよび『富多無可思』(青山進行堂活版製造所、1909年)の47ページに掲載されている「五…

(参考)現在のデジタルタイプから 09B, 09C, 09D

Gill SansEric Gill,1928-1932(Monotype)「ギル・サン」は、エリック・ギル(1882-1940)によって設計され、1928年と1932年の間にモノタイプ社が発表しました。より古典的であり、ペンで書かれた文字にルーツを持っているので、ヒューマニスト・サンセリフに…

(参考)現在のデジタルタイプから 09A

Akzidenz Grotesk Next2007(Berthold)「アクチデンツ・グロテスク」は、ヘルマン・ベルトルト(1831-1904)のベルトルド活字鋳造所が1896 年に発表したサンセリフ体で、後に誕生した「ヘルヴェチカ」のもとになったとも言われています。2007年には「アクチデ…

(参考)現在のデジタルタイプから 08

ClarendonHermann Eidenbenz,1953(Linotype)「クラレンドン」は、1845年にデザインされたオリジナルをもとに、1953年に、エドアール・ホフマンのもとでヘルマン・アイデンベンツ(1902-1993)によって復刻されました。 RockwellFrank Hinman Pierpont,1934(M…

(参考)現在のデジタルタイプから 05

Century Old StyleMorris Fuller Benton,1906(Monotype)「センチュリー・オールドスタイル」は、フラー・ベントン(1872-1948)が、リン・ボイド・ベントン(1844—1932)とモリス・テオドール・ロゥ・デ・ヴィネ(1828—1914)によって1895年に制作された書体…

(参考)現在のデジタルタイプから 04

DidotAdrian Frutiger, 1991 (Linotype)「ディド」は、1783年にパリでファーミン・ディド(1764−1836)によって設計された書体をベースに、1991年にデジタルタイプとして、アドリアン・フルティガー(1928−2015)によって設計されました。 BodoniGiambattist…

(参考)現在のデジタルタイプから 03

BaskervilleJohn Baskerville,1706-1775 (Linotype)「バスカーヴィル」は、ジョン・バスカーヴィル(1706−1775)の活字書体をモデルに、1923年にジョージ・ウィリアム・ジョーンズ(1860-1942)によって複刻されました。 Fournier Pierre Simon Fournier,171…

(参考)現在のデジタルタイプから 07

Snell RoundhandMattew Carter, 1965 (Linotype)「スネル・ラウンドハンド」は、17世紀後半のチャールズ・スネル(1667−1733)の書字をベースに、マシュー・カーター(1937− )によって1965年に制作されたスクリプト体です。 ShelleyMattew Carter,1972 (Lin…

(参考)現在のデジタルタイプから 02B

Van DijckRobin Nicholas, 2001 (Monotype)「ファン・ダイク」は、2001年にモノタイプ社のロビン・ニコラス(1947– )によって、17世紀のオランダを代表する活字父型彫刻師クリストフェル・ファン・ダイク(1601–1669)の活字書体を復刻した書体です。 Adobe…

(参考)現在のデジタルタイプから 02A

BemboAldus Manutius, Francesco Griffo,Frank Hinman Pierpont,1929 (Monotype)「ベンボ」は1929年に、モノタイプ社のフランク・ヒンマン・ピアポント(1860-1937)がデザインした書体です。ビエトロ・ベンボの著作『デ・アテナ』を印刷するために、1495年…

(参考)現在のデジタルタイプから 06

Blado Ludovico Degli Arrighi, Stanley Morison, 1923 (Monotype) 「ブラドー」は、1526頃に制作されたアルダス・マヌティウスとルドヴィコ・デリ・アリッギの活字に基づいて、1923年にスタンリー・モリソン(1889-1967)によって復刻されたイタリック体で…

(参考)現在のデジタルタイプから 01

Adobe Jenson Robert Slimbach, 1990 (Adobe) 「アドビ・ジェンソン」は、ニコラ・ジェンソンのローマン体をもとに、ロバート・スリムバック(1956- )によって設計された書体です。 Centaur Nicoras Jenson, Bruce Rogers, Frederic Warde,1928-1930 (Monot…