活字書体をつむぐ

Blog版『活字書体の総目録』

[和字]09 和字ゴシック

09B-2 和字書体「ふじやま」のよりどころ

原資料:『明解国語辞典』(金田一京助監修、三省堂、1943年) 『明解国語辞典』の見出しに使われているゴシック体を原資料としている。 辞書の見出し書体といえばアンチック体が使われることが多いが、『明解国語辞典』はゴシック体である。近年の国語辞典…

09A-4 和字書体「くろふね」のよりどころ

原資料:『沿溝書体スタイルブック』(草間京平著、日本孔版文化の会、1952年) 草間京平(1902—1971)は東京・芸術倶楽部35号室に「黒船工房」の表札を掲げて、宮城三郎とともに謄写版印刷を本格的にはじめた。書写ゴシック体は、読売新聞の記者であった福…

09B-3 和字書体「めぐろ」のよりどころ

原資料:『センサスの経済学』(児島俊弘・関英二著、農林統計協会、1964年) 『センサスの経済学』は「1965年中間農業センサス副読本」とあるように、農業に関する統計調査の書物である。この書物にはゴシック体で組まれたページもある。本文の近代明朝体と…

09B-1 和字書体「ますらお」のよりどころ

原資料:『活字見本帳』(民友社活版製造所、1936年) 民友社活版製造所は1901年(明治34年)に初代渡辺宗七によって東京・銀座で創業された。渡辺宗七が徳富蘇峰と親交があったことから、民友社出版部、印刷部とも業務提携をしていた。出版を中心としていた…

09B 和字ゴシック(第2期)

用途の拡大 『日本印刷需要家年鑑』(印刷出版研究所、1936年)に掲載された藤田活版製造所の差し込み広告に、細ゴシック活字を見ることができる。六号と9ポイントには文章組の見本もあった。 写真植字機用文字盤としては、1933年(昭和12年)にすでに石井細…

09A-1 和字書体「くらもち」のよりどころ

原資料:『活版見本』(東京築地活版製造所、1903年) 東京築地活版製造所は1903年(明治36年)11月1日に、わが国の活字版印刷史上最大規模の438ページにもおよぶ見本帳を発行した。この見本帳の編輯兼発行者は第5代目社長の野村宗十郎(1857—1925)である。…

09A-3 和字書体「くれたけ」のよりどころ

原資料:『活版総覧』(森川龍文堂活版製造所、1933年) 森川龍文堂は1902年(明治35年)1月、森川竹次郎によって大阪に創業された金属活字鋳造と印刷機器販売をおこなう会社であった。森川健市が第二代社長に就任して、昭和初期には『活版総覧』などの活字…

09A-2 和字書体「はるか」のよりどころ

原資料:『活字と機械』(野村宗十郎編輯、東京築地活版製造所、1914年) 『活字と機械』は、その名のとおり活字と機械の両面から大正初期におけるタイポグラフィを紹介した小冊子である。この小冊子に五號ゴチックなどの和字書体が掲載されていた。築地体の…

09A 和字ゴシック・第1期

欧字書体としてのゴシック(Gothic)は、『活版様式』(平野活版製造所、1877年)にあらわれている。サンセリフと呼ばれるカテゴリーに属する書体である。『活版様式』にはアンチック(Antique)という書体も掲載されている。 漢字書体としてのゴシック体で…