活字書体をつむぐ

Blog版『活字書体の総目録』

[漢字]02 明朝体

02-4 漢字書体「嘉興」のよりどころ

原資料:『嘉興蔵』(1589年 楞厳寺) 明末の禅僧・紫柏真可(1543−1603)門下の密蔵道開によって、万暦年間に刻印事業が開始された方冊版大蔵経が、『嘉興蔵』(楞厳寺版)1,444冊である。密蔵道開らの発願により、1589年(萬暦17年)に嘉興府楞厳寺で開版…

02-3 漢字書体「毛晋」のよりどころ

原資料:『宋名家詞』(1626年−1644年 毛氏汲古閣) 明末清初の代表的蔵書家であり出版者として知られているのが毛晋(1599−1659)である。毛晋は江蘇省常熟の人で、字は子晋、号は潜在という。同郷の学者・詩人である銭謙益(1582−1664)に師事し、学問に励…

02-2 漢字書体「鳳翔」のよりどころ

原資料:『楽律全書』(1595年 鄭藩) 明代の藩王府の刊行した書物は、原稿、校正、彫版、印刷などの品質が高かったが、なかでも鄭藩世子・朱載堉(しゅさいいく 1536−?)が刊行した音楽の著作『楽律全書』は、藩刻本の代表作のひとつである。 朱載堉は字を…

02-1 漢字書体「金陵」のよりどころ

原資料:『南斉書』(1588年−1589年 南京国子監) 南京国子監が出版した刊本を南監本と呼ぶ。南京国子監で刊行された書物のうち代表的なものとしては『二十一史』と『十三経』があげられる。 二十一史というのは中国の歴代の正史21書で、史記・漢書・後漢書…

02 明朝体

中国・明王朝は、朱元璋(1328—1398)が蒙古族の元王朝をたおして、現在の南京に建朝した。朱元璋は明王朝の初代皇帝で、洪武帝(太祖)ともいう。洪武帝の第四子・朱棣(1360—1424)は現在の北京に燕王として封じられていたが、南京を攻略して第三代皇帝、…