活字書体をつむぐ

Blog版『活字書体の収穫祭』

[漢字]08 安竹体/経典体

08A-1 漢字書体「倫敦」のよりどころ

原資料:『座右之友』(東京築地活版製造所、1895年)より「五號アンチック形文字」 漢字書体の安竹体としては、『座右之友』(東京築地活版製造所、1895年)の86ページおよび『富多無可思』(青山進行堂活版製造所、1909年)の47ページに掲載されている「五…

08B-1 漢字書体「方広」のよりどころ

時代背景 本項においては、中国・唐代の仏教(仏教寺院と仏教経典)についてのまとめを時代背景とする。 一州一寺一観制とは、中国歴代王朝で諸州ごとに仏教寺院と道教寺院をそれぞれ設置した制度である。仏教寺院である龍興寺〔りゅうこうじ〕は、唐代の一…

08A 安竹体

一般的にはアンチック体とよばれ、明朝体、呉竹(ゴシック)体とともに、現代日本語書体における主要3書体としたい書体である。アンチック体とは西洋からの外来語であり、漢字書体には不似合いに思われた。中国では宋黒としているようだがピンと来ない。そ…

08B 経典体

中国の印刷の初期において、仏教経典・儒教経典で用いられたのは荘厳で権威的なイメージのある肉太の真書体字様であった。これを「経典体」ということにする。 仏教経典の印刷は唐代から行われており、時代と地域を越えて、経典の形態、字様、版式に大きな変…