活字書体をつむぐ

Blog版『活字書体の総目録』

[総合]活字書体としての調和体

和字書体・漢字書体・欧字書体、それぞれの印象

日本語の文章は、和字書体だけでも、漢字書体だけでも、欧字書体だけでも組むことができるし、それを読むこともできる。実際に、19世紀後半-20世紀前半に発行された書物のなかに、それぞれの活字書体で組まれたものがある。 和字だけの文章 『ちがくうひま…

和字・漢字・欧字書体の混植

漢字・和字・欧字書体の調和 現代日本語の表記が漢文訓読文から発展したと考えれば、日本語書体は漢字が中心である。漢語や語幹を漢字で書くという文章の構造からいっても、漢字を軸として和字や欧字を交えるとするのが本筋のようでもある。 近代金属活字が…

漢字・欧字書体の伝来と和字書体

漢字書体は中国から伝来した 江戸時代にわが国に明朝体による刊本がもたらされ、南京国子監本『南斉書』の覆刻した和刻本『南斉書』、楞厳寺版『嘉興蔵』を覆刻した鉄眼版『一切経』などのように、覆刻によって定着していった。 漢字は中国から輸入したもの…

漢字書体を変えればイメージが変わる

漢字書体を変えればイメージが変わる わが国の近代活字揺籃期の活字見本帖である『BOOK OF SPECIMENS』(平野活版製造所、1877年)には、漢字書体・和字書体・欧字書体がそれぞれ明確にわけられて掲載されている。 ひとつの和字書体を複数の漢字書体と組み合…

書法芸術としての調和体(漢字かな交じり書)

尾上柴舟によって唱えられた「調和体」 「調和体」とは漢字とかなとを調和よく書いた書をいう。書道は基本的に、「漢字」「かな(和字)」「調和体」というジャンルで構成されている。調和体という名称は、尾上柴舟(1876―1957)によって唱えられた。「粘葉…