活字書体をつむぐ

Blog版『活字書体の総目録』

08B 経典体

中国の印刷の初期において、仏教経典・儒教経典で用いられたのは荘厳で権威的なイメージのある肉太の真書体字様であった。これを「経典体」ということにする。
 仏教経典の印刷は唐代から行われており、時代と地域を越えて、経典の形態、字様、版式に大きな変化はみられなかった。代表的な「経典体」として、北宋龍興寺刊本『大方廣佛華巖経』(990年−994年)があげられる。
 わが国の「春日版」なども同様の字様があり、中国の仏教経典から覆刻を繰り返したものではないかと思われる。