活字書体をつむぐ

日本・中国・欧米の書写と印刷の歴史に育まれた復刻書体、翻刻書体をまとめています。

和字書体・漢字書体・欧字書体、それぞれの印象

日本語の文章は、和字書体だけでも、漢字書体だけでも、欧字書体だけでも組むことができるし、それを読むこともできる。実際に、19世紀後半-20世紀前半に発行された書物のなかに、それぞれの活字書体で組まれたものがある。

 

和字だけの文章

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『ちがくうひまなび』(近藤真琴著、かなのくわい、1886年

 

漢字だけの文章

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日本外史』(頼山陽著、育英舎、1907年)

 

欧字だけの文章

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『Sekai no shinpo』(向軍治著、ローマ字ひろめ会、1915年)

 

これらはすべて日本語で記された文章であるが、和字、漢字、欧字それぞれで、まったく異なる印象を受ける。

現代の日本語書体では、和字、漢字、欧字が揃って1フォントを構成しているが、文章のなかの和字、漢字、欧字の比率、すなわち和字の多い文章と漢字の多い文章では、異なった印象を受けるだろう。

ひとつの日本語書体でも、文字体系ごとに独立した書体だとみなすこともできる。そういう考え方で、和字書体、漢字書体、欧字書体の組み合わせを工夫することで、可能性が広がると思う。