活字書体をつむぐ

Blog版『欣喜堂立志篇』/『欣喜堂而立篇』

09B ヒューマニスト・サンセリフ

イギリスでは、エドワード・ジョンストン(1872—1944)がロンドン鉄道局のために1916年にデザインしたサイン用のサン・セリフ体をデザインしている。このサン・セリフ体は19世紀のサン・セリフ体とはことなり、インペリアル・キャピタルのプロポーションにもとづいた設計となっていた。

ジョンストンを師とあおいでいた碑文彫刻家のエリック・ギル(1882—1940)がモノタイプ社のスタンリー・モリスン(1889—1967)に見いだされて、モノタイプ社のためにサン・セリフ体「ギル・サン (Gill Sans) 」を設計し、1928年に発表されている。

 

1958年にドイツのステンペル活字鋳造所から発売された「オプティマ (Optima) 」は、ドイツのタイプ・デザイナー、ヘルマン・ツァップ(1918—2015)によってデザインされた。ツァップはカリグラファー、ブック・デザイナーとしても高く評価されている。

オプティマサン・セリフ体に分類されることが多い。しかしながら従来のサン・セリフ体とはことなっており、むしろローマン体を意図していた。したがって、あたらしいスタイルのジャンル「セリフレス・ローマン体」といったほうが適切かもしれない。

ツァップは古代ローマルネッサンスの碑文や写本にもとづいた活字書体を数多く設計している。それらにはカリグラフィの巧みな技術と活字の歴史にたいする豊富な知識が生かされているのである。