活字書体をつむぐ

Blog版『欣喜堂立志篇』/『欣喜堂而立篇』

(参考)現在のデジタルタイプから 01

Adobe Jenson Robert Slimbach, 1990 (Adobe) 「アドビ・ジェンソン」は、ニコラ・ジェンソンのローマン体をもとに、ロバート・スリムバック(1956- )によって設計された書体です。 Centaur Nicoras Jenson, Bruce Rogers, Frederic Warde,1928-1930 (Monot…

09C-1 欧字書体「K.E. Aquarius-Bold」のよりどころ

原資料:『フツーラ書体見本帳』(バウワー活字鋳造所、1927年)より パウル・フリードリヒ・アウグスト・レンナー(1878−1948)は、バウワー活字鋳造所との共同作業によって、幾何学的な考え方で制作された書体「フツーラ(Futura)」を1927年に発表しまし…

09A-1 欧字書体「K.E. Capricornus-Bold」のよりどころ

原資料:『ザ・フローラン』(1930年)より 碑文彫刻家のエリック・ギル(1882−1940)は、モノタイプ社のためにサン・セリフ体「ギル・サン (Gill Sans) 」を設計し、1928年に発表しました。そこで、『ザ・フローラン』(1930年)のエリック・ギルの特集記事…

09A-1 欧字書体「K.E.Sagittarius-Bold」のよりどころ

原資料:『ノイエ・グラフィーク』(1958年)より 「アクチデンツ・グロテスク (Akzidenz Grotesk) 」は、1898年にドイツ・ベルリンのベルトルド活字鋳造所が製作した活字書体です。 そこで『ノイエ・グラフィーク』(1858年)所収の使用例から抽出したキャ…

08-1 欧字書体「K.E. Pisces-Medium」のよりどころ

原資料:『印刷活字総合見本帳』(ファン・ストリート活字鋳造所、1857年) ロバート・ベズリによる「クラレンドン (Clarendon) 」は1845年にイギリスのファン・ストリート活字鋳造所でうまれました。その名称はオックスフォード大学の印刷所だったクラレン…

05-1 欧字書体「K.E. Virgo-Medium」のよりどころ

デ・ヴィネ・プレスが印刷していた雑誌『センチュリー・マガジン』のための専用書体としてテオドール・ロゥ・デ・ヴィネ(1828—1914)が設計し、リン・ボイド・ベントン(1844—1932)がみずからの彫刻機をもちいて1895年に作られたのが「センチュリー」です。…

04-1 欧字書体「K.E.Leo-Medium」のよりどころ

ジャンバティスタ・ボドニ(1740−1813)は、パルマ公国印刷所のあたらしいローマン体を設計しました。モダン・ローマン体のうち、代表としてボドニの書体を選択、『チメリオ・ティポグラフィコ』(1990年 復刻版)から抽出したキャラクターをベースに、日本…

03-1 欧字書体「K.E.Cancer-Medium」のよりどころ

原資料:『田園詩と農事詩』(1757年) ジョン・バスカーヴィル(1706−1775)の活字は、オールド・ローマンの影響を残しながらも、コントラストを強めた水平垂直にちかい骨格になっています。代表的なトランジショナル・ローマン体として、バスカーヴィル活…

07-1 欧字書体「K.E. Scorpio-Medium」のよりどころ

原資料:『活字書体見本帳』(フライ・アンド・スティール活字鋳造所、1795年) チャンセリー・バスタルダは印刷用活字書体として成立し、イタリック体として発展していきましたが、その一方で、個人的で優美な曲線への欲求は銅版印刷へとむかっていきました…

02B-1 欧字書体「K.E.Gemini-Medium」のよりどころ

原資料:『The Diary of Lady Willoughby』(1844年) 18世紀のイギリスはオランダのローマン体が流行していましたが、ウィリアム・キャズロン(1692−1766)の活字は、洗練さをくわえたことによって「イギリス風で快い」という称賛をえたのです。 そこで後期…

02A-1 欧字書体「K.E.Taurus-Medium」のよりどころ

原資料:『ミラノ君主ヴィスコンティ家列伝』(1549) ヴェネチアのアルダス・マヌティウス(1449−1515)の工房において、フランチェスコ・グリフォ(1450?−1518?)の手になる活字書体が誕生し、ビエトロ・ベンボ(1470−1547)の著作『デ・エトナ』(1495−14…

06-1 欧字書体「K.E.Libra-Medium」のよりどころ

原資料:『Vita sfortiae』(1539年) ヒューマニストのあいだで流行していたチャンセリー・バスタルダを、はじめて金属活字として鋳造したのがヴェネチアの印刷人アルダス・マヌティウス(1449−1515)と、活字父型彫刻師フランチェスコ・グリフォ(1450?−1518…

01-1 欧字書体「K.E.Aries-Medium」のよりどころ

原資料:『博物誌』(プリニウス著、1472年) ジェンソン活字を使用したのがプリニウス著『博物誌』(1472年)です。紀元1世紀の著述家プリニウスの現存する唯一の著作で、古典ローマ世界のあらゆる知識を網羅した百科全書をして知られています。このジェン…

10A-1 欧字書体「K.E.Ophiuchus-Medium」のよりどころ

原資料:『42行聖書』(1455年) 10世紀から11世紀になると、アンシャル系のカロリンガ・ミナスキュールはラスティック・キャピタルと結合して「ラスティック・カロリンガ」とよばれる過渡期の書体となり、ブラック・レターとしての特徴が顕著になっていきま…

(参考)現在のデジタルタイプから 10A

Textur Gotisch Roland John Goulsbra, 2002 (Linotype) 「テクストゥール・ゴシック」は、ローランド・ジョン・Goulsbra(Roland John Goulsbra)が2002年に新しく設計した書体です。 Clemente Rotunda Philip Bouwsma, 2001 (Monotype) 「クレメンテ・ロト…

09D レアリスト・サンセリフ

第二次世界大戦後になると、サン・セリフ体はスイス・スタイルのデザイナーの支持を集めた。幾何学的なサン・セリフ体は敬遠され、19世紀のふるい時代のサン・セリフが再使用されるようになっていった。バウワー活字鋳造所では1956年に「フォリオ (Folio) 」…

09C ジオメトリック・サンセリフ

ドイツでは、ドイツ工作連盟(ドイツ・ヴェルクブント)のメンバーだった、パウル・フリードリヒ・アウグスト・レンナー(1878—1948)による「フツーラ」と、ルドルフ・コッホ(1876—1934)による「カーベル」がある。パウル・レンナーの「フツーラ (Futura)…

09B ヒューマニスト・サンセリフ

イギリスでは、エドワード・ジョンストン(1872—1944)がロンドン鉄道局のために1916年にデザインしたサイン用のサン・セリフ体をデザインしている。このサン・セリフ体は19世紀のサン・セリフ体とはことなり、インペリアル・キャピタルのプロポーションにも…

09A グロテスク・サンセリフ

1816年にウィリアムス・キャズロン四世によって金属活字のサン・セリフ体が発表された。サン・セリフ体はスラブ・セリフ体からの変形とも見られるが、19世紀のドイツでは「ステイン・クリフト(石の文字)」と呼んでいたことから、サン・セリフ体の起源を古…

08 スラブ・セリフ体

スラブ・セリフ体の先駆としてあげられる書体に「アンティーク (Antique) 」がある。ジョゼフ・ジャックソン(1733—1792)の弟子ヴィンセント・フィギンス(1766—1844)によって1815年に制作された。1817年に発行された見本帳に4サイズの「アンティーク」が…

05 20世紀ローマン体

アメリカ リン・ボイド・ベントン(1844—1932)といえば、機械式活字父型(母型)彫刻機(略称ベントン彫刻機)の発明で知られているが、活字書体開発にも携わっている。その代表的な活字書体がテオドール・ロゥ・デ・ヴィネ(1828—1914)と共同で作った「セ…

04 モダンローマン体

フランス フランスのフェルミン・ディド(1764—1836)は、ステムが直線的に構成されるという特徴がある新しい活字書体「ディド (Didot) 」を設計した。現在モダン・ローマン体として知られているスタイルである。 ディド家は18世紀から19世紀にかけて、印刷…

03 トランジショナルローマン体

イギリス トランジショナルとは「過渡期の」という意味の形容詞である。オールド・ローマンからモダン・ローマンへの過渡期のローマン体ということだ。 代表的なトランジショナル・ローマン体が「バスカーヴィル (Baskerville) 」である。イギリスのジョン・…

07 スクリプト体

チャンセリー・バスタルダは印刷用活字書体として成立し、イタリック体として発展していったが、その一方で、個人的で優美な曲線への欲求は銅版印刷へとむかった。 銅版印刷とは、銅製の一枚板を使った凹版印刷の一種である。活字版が陽刻・凸状の版になるの…

02B オールド・ローマン体(後期)

オランダ 17世紀のオランダを代表する活字父型彫刻師としてクリストフェル・ファン・ダイク(1601−1669)がいる。ファン・ダイクは、当時最高水準にあったアントワープのプランタン印刷所で、ギャラモン活字をしっかりと研究していたと推測されている。した…

02A オールド・ローマン体(前期)

イタリア アルダス・マヌティウス(1449−1515)の工房の建物はヴェネチアに残されており、壁面にはアルダスの事跡をしるしたプレートが付けられている。この工房において、多数のギリシャ・ローマ時代の古典文学を出版した。 ビエトロ・ベンボ(1470—1547)…

06 イタリック体

チャンセリー・カーシヴはローマ教皇庁に勤める書記官が様式化したルネサンス期の書法である。チャンセリーとは教皇庁と教会とをむすぶ通信機関である「教皇庁尚書院」をさすことばで、カーシヴとは筆記体をあらわす。すなわちチャンセリー・カーシヴは書記…

01 ヴェネチアンローマン体

プレ・ローマン体 ルネサンス期のイタリアに、ドイツから印刷術を紹介したのはコンラード・スウェインハイム(?—1477)とアーノルド・パナルツ(?—1476)だった。ふたりはドイツのマインツにあったグーテンベルクの工房で働いていた印刷者である。 かれら…

10A ブラック・レター体

テクストゥール(Textur) 10世紀から11世紀になると、アンシャル系のカロリンガ・ミナスキュールはラスティック・キャピタルと結合して様式化がすすんでいった。「ラスティック・カロリンガ」とよばれる過渡期の書体で、ブラック・レターとしての特徴が顕著…

(参考)現在のデジタルタイプから00

Lithos Carol Twombly, 1989 (Adobe) 「リトス」は、キャロル・トゥオンブリー(Carol Twombly , 1959– )が、1989年にアドビシステムズのために設計した欧字書体です。古代ギリシャの碑文書体に触発されてはいますが、忠実に再現したというのではなく、より…