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タイプフェイスデザイン・探訪1

[活字書体をつむぐ]日本・中国・欧米の書写と印刷の歴史に育まれた書体をまとめています。

6-1 『活字書体見本帳』(フライ・アンド・スティール活字鋳造所、1795年)

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チャンセリー・バスタルダは印刷用活字書体として成立し、イタリック体として発展していきましたが、その一方で、個人的で優美な曲線への欲求は銅版印刷へとむかっていきました。

金属板にじかに彫刻する方法(エングレーヴィング)での銅版印刷は1420年から1430年ごろにかけてドイツとイタリアではじめておこなわれました。17世紀以降には腐食銅製技法エッチング)が主流になりましたが、フランス宮廷ではエングレーヴィングを銅版印刷の唯一の製作技法と認めていました。

チャンセリー・バスタルダを源流にして、エングレーヴィング技法のなかで育まれてきた銅版文字を、鋭くカットされたペンによって模倣したのがラウンド・ハンドです。ラウンド・ハンドは、そののち個性的で装飾的な面をそぎ落とされた「スクリプト体」となりました。

活字書体としてのスクリプト体としては『活字書体見本帳』(フライ・アンド・スティール活字鋳造所、1795年)所載の書体があります(上図)。これを参考にしながら、日本語組版に調和するように、「K.E. Scorpio」を制作しています。

 

活字書体 K.E. Scorpio-Medium