活字書体設計1

[活字書体をつむぐ]日本・中国・欧米の書写と印刷の歴史に育まれた書体をまとめています。

5-5 『歩兵制律』(川本清一訳、1865年、陸軍所)

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『歩兵制律』(川本清一訳、1865年、陸軍所)

大鳥圭介(1833—1911)は岡山藩閑谷学校緒方洪庵適塾、江川英敏の塾で学ぶ。開成所洋学教授として幕府に用いられ、ついで歩兵指図役頭取に登用される。戊辰戦争では榎本武揚と共に函館五稜郭で抵抗するが降伏。出獄後、新政府に出仕し、工部大学校長、元老院議官などを経て、学習院院長となる。特命全権公使として清国に赴任。清国、朝鮮との外交交渉を担当した。

 大鳥圭介が縄武館につとめていたとき、『築城典刑』『砲科新論』を翻訳して独自の活字をもちいて出版することに着手した。『歩兵制律』(陸軍所 一八六五 印刷博物館所蔵)は、オランダの書物を開成所の教員であった川本清一が翻訳し、大鳥の活字をもちいて印刷したものである。縄武館および陸軍所の活字版書物のうちで、『歩兵制律』だけが本文に「漢字ひらがな交じり」表記を採用している。

 

活字書体「あおいM」

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