活字書体設計1

[活字書体をつむぐ]日本・中国・欧米の書写と印刷の歴史に育まれた書体をまとめています。

3-3 『玉あられ』(本居宣長著、柏屋兵助ほか、1792年)

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『玉あられ』(本居宣長著、柏屋兵助ほか、1792年)

本居宣長の著書で、版木彫刻によるものである。近世の歌文に著しい誤用があるのを正そうと思い、古文の用法を思いつくままに説明したものである。

 古文とは変わって近世の歌文が聞き慣れなくなってきたのは、古文をよく手本としていないからで、古文にあっているか違っているかをよく考え、善悪を判断すべきだとしている。

 内容は「歌の部」と「文の部」にわかれる。「歌の部」は65項目、「文の部」は45項目にわたって述べられている。作者の思いつくまま羅列したもので、統一的な体系はないようだ。

 著者の本居宣長は、中古語を雅語として、近世語や漢文的な表現を俗と卑しめている。宣長の、漢文的な表現を排斥して和語を重視するという意識と、中古語を最上とする言語感に基づいて実践されたものである。

 

活字書体「すずのやM」

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