活字書体設計1

[活字書体をつむぐ]日本・中国・欧米の書写と印刷の歴史に育まれた書体をまとめています。

3-2 『曾根崎心中』(近松門左衛門、1703年)

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『曾根崎心中』(近松門左衛門、1703年)

 近松門左衛門(1653—1724)は、江戸中期の浄瑠璃・歌舞伎作者である。坂田藤十郎(1647—1709)のために脚本を書き、その名演技と相まって上方歌舞伎の全盛を招いた。また、竹本義太夫(1651—1714)のために時代物・世話物の浄瑠璃を書き、義太夫節の確立に協力した。

曽根崎心中』は浄瑠璃の世話物一段三巻で、1703年(元禄16年)に大坂竹本座で初演された。近松門左衛門による世話物の第1作で、このあと庶民を主人公にした心中物・不義物・処刑物などを「世話浄瑠璃」と呼ぶようになった画期的な作品である。

 曾根崎天神で起きたお初と徳兵衛との情死事件を扱ったもので、当初は添え物的な出し物であったが、お初・徳兵衛の純粋な心情や抜き差しならぬ葛藤が評判を呼び、興行が始まるとたちまちものすごい人気を呼んだ。経営不振に陥っていた竹本座は、これ1作で立ち直ったそうである。

 

活字書体「なにわM」

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