活字書体設計1

[活字書体をつむぐ]日本・中国・欧米の書写と印刷の歴史に育まれた書体をまとめています。

0-4 「くまそ」と「えみし」の系譜

明治時代以降にアメリカから伝来した欧字書体に「gothic」、「antique」があり、名称が同一の漢字書体「ゴチック形」、「アンチック形」があらわれた。これを「呉竹体」「安智体」と名付けた。これらと組み合わされた和字書体のカテゴリー名を「くまそ」、「えみし」と呼ぶことにする。

 

「くまそ」(ゴシック体)

「くまそ」ゴチック形の和字書体)は、水平垂直を基本とした筆法に特徴がある。カタカナ「ロ」を例にすると、横線が右上がりにならないで水平になっている。水平垂直を基本としたひらがなの制作は、漢字の一部分をとったカタカナよりも完成が遅れた。その活字書体は書写としての運筆が意識されている。

 

「えみし」(アンチック体)

「えみし」(アンチック形の和字書体)は、辞書などの見出し語として用いられている。ひらがな「の」を例にすると、その頂点が細くならないで、ほぼ同じ太さになっている。その完成は「くまそ」ゴチック形の和字書体)よりはやく、漢字書体の「呉竹体」(ゴシック体)と組み合わされることも多い。