活字書体設計1

[活字書体をつむぐ]日本・中国・欧米の書写と印刷の歴史に育まれた書体をまとめています。

2 隷書体/行書体/楷書体(清刻本)

隷書体
刊本字様としての隷書体は、清代刊本の牌記などに見られる。牌記とは、古代書籍の扉或いは巻末にある枠の付いている題識文字を指し、牌、書牌、木記とも称す。牌記は宋代以降の書籍刻印に広範に使われている。


行書体
 中国・清朝康煕帝が明朝後期の董其昌の書を、乾隆帝が元朝の趙子昴の書を正当な流派として愛好したためか、行書体による刊本も登場した。北京の春暉堂が刊行した『菊譜』(1758年 春暉堂 中国・北京国家図書館蔵)、春草堂が発行した『人参譜』(1758年)にも流麗な行書がつかわれている。


楷書体
 書写を忠実に彫る写刻は宋朝の時代からあったが、彫刻の困難さや可読性への配慮から序文だけに限られ、熟練した彫工が担当していた。序文だけではなくて刊本全体にも書写系の字様が多く使用されるようになったのは清代からである。清代の私刻本の多くは手書きの文字が忠実に彫られた写刻本であった。