活字書体をつむぐ

日本・中国・欧米の書写と印刷の歴史に育まれた書体をまとめています。

[漢字]10 安竹体/経典体

10A–1 『座右之友』(東京築地活版製造所、1895年)より「五號アンチック形文字」

漢字書体の安竹体としては、『座右之友』(東京築地活版製造所、1895年)の86ページおよび『富多無可思』(青山進行堂活版製造所、1909年)の47ページに掲載されている「五號アンチック形文字」がある。 「五號アンチック形文字」は、もともと江戸時代の看板…

10B–1 『大方廣佛華巖経』(990年—994年 龍興寺)

『大方廣佛華巖経』(990年—994年 龍興寺) 杭州の龍興寺で刊行された『大方廣佛華巖経』は、1折5行、1行に15字があり、折本のもっとも普遍的な体裁である。 『華厳経』は、すでに成立していた別々の独立経典を四世紀中葉以前に中央アジアのコータンあたりに…

10A 安竹体

一般的にはアンチック体とよばれ、明朝体、呉竹(ゴシック)体とともに、現代日本語書体における主要3書体としたい書体である。アンチック体とは西洋からの外来語であり、漢字書体には不似合いに思われた。中国では宋黒としているようだがピンと来ない。そ…

10B 経典体

中国の印刷の初期において、仏教経典・儒教経典で用いられたのは荘厳で権威的なイメージのある肉太の真書体字様であった。これを「経典体」ということにする。 仏教経典の印刷は唐代から行われており、時代と地域を越えて、経典の形態、字様、版式に大きな変…