活字書体をつむぐ

日本・中国・欧米の書写と印刷の歴史に育まれた書体をまとめています。

日本語書体十二撰の考え方

和字書体を中心に考えれば、組み合わせる漢字書体はいくつも考えられる。それによって多数の日本語書体ができることになる。また漢字書体を中心として考えれば、これまたいくつもの組み合わせが可能となる。

また漢字書体も、中国における刊本字様として欧字書体に匹敵する多様な書体群をもっているが、これらもまた実用化されてはいない。わが国では近代明朝体を中心に模倣されてきたためであるが、多くの書体が制作されれば和字書体との組み合わせも豊富になるであろう。

日本語書体として成立するためには、和字書体、漢字書体、欧字書体を選択する必要がある。あらかじめ組み合わせた日本語書体を開発しておいたほうが利便性は高いといえる。

さまざまな組合せの中から汎用性が高いとおもわれる日本語総合書体を開発するというのがタイポグラファにとっても有効なのではないだろうか。このような活字書体としての調和体、日本語総合書体を充実させていきたい。

 

日本語書体を構成する和字書体・漢字書体・欧字書体のうち、どれが主で、どれが従かということは、受け止め方によって変わる。欣喜堂では、まず和字書体があって、それに調和する漢字書体と欧字書体を組み合わせるという考え方だ。

まず和字書体「きざはし」があって、その後に漢字書体「金陵」と欧字書体「K.E.Taurus」を追加したものが「きざはし金陵」ということである。だから、書体名は和字書体が先、漢字書体が後なのだ。

「和字書体三十六景」と「和字書体十二勝」については、拙著『欣喜堂ふたむかし』(欣喜堂、2017年)で組み合わせの構想を発表したが、そのときには「日本語書体八策」と「日本語書体四坐」とに分けていたが、これらを合わせて「日本語書体十二撰」とすることにした。ほかに「日本語書体三傑」を構想している。

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この「日本語書体十二撰/日本語書体三傑」の図は、試作している「もとおり」「すずり」「こみなみ」を追加したものだ。「もとおり」は「もとい」の、「すずり」は「すずのや」の別バージョン、「こみなみ」は「みなみ」の別バージョン(字面を小さくした書体)である。